大阪府堺市中区田園969番地1
FAX : 072-234-0751

プラントエンジニアリング課題解決事例その1

ホーム » コンパクトエンジニアリング » 化学プラント » プラントエンジニアリング課題解決事例その1

プラントエンジニアリング課題解決事例その1

プラントエンジニアリング課題解決事例その1

【初心者向け】テストプラント設計・スケールアップの基本フローと概算見積もりの出し方

化学プラントの現場や、ベンチャー・スタートアップ企業で新しい技術を開発した際、避けて通れないのが「スケールアップ」の壁です。ビーカーレベルの実証実験が成功しても、いきなり巨大な商用プラントを建てるのはリスクが高いため、まずは中間規模の「テストプラント」を建設して検証を行うのが一般的です。しかし、「実証実験は終わったが、テストプラントの計画やスケールアップの経験がない」と悩む担当者の方は非常に多くいらっしゃいます

 

本記事では、プラントエンジニアリングのプロフェッショナルであるKH工業の解説動画をもとに、テストプラントを計画する際の「設計フロー」や、気になる費用の「超概算見積もりの出し方」を初心者向けに分かりやすく解説します

テストプラント設計・スケールアップの全体フロー

テストプラントの設計は、いきなり図面を描き始めるわけではありません。まずは基礎となる実験データを整理し、段階を踏んで詳細な設計へと落とし込んでいきます

 

1. 実証実験データの準備(物質収支・熱収支)

プラント設計において最も重要になるのが、基礎となる「実証実験の結果(データ)」です。特に以下の2つのデータが欠かせません
  • 物質収支(マテリアルバランス): どの物質を、何グラム、どのような割合で混ぜるのかというデータです
  • 熱収支(ヒートバランス / エネルギー収支): 反応させる際に、何度から何度まで加熱・冷却するのか、どのような熱エネルギーが必要かというデータです

これらのデータがしっかりと揃っていることで、その後のプラント設計が非常にスムーズに進みます

 

2. フロー図からP&ID(配管計装図)の作成

実験データが揃ったら、次は「ブロックフロー」や「フローシート」と呼ばれる、おおまかな工程の流れを示す図面を作成(または用意)します

このフロー図と実験データを元にして作成されるのが、**P&ID(配管計装図)**です。P&IDとは、プラント内の配管の繋がりや、ポンプ・タンクなどの機器、温度計・圧力計といった計器類がどのように配置され、制御されるかを示す、プラント設計の要となる重要な図面です。この図面を作成する段階で、液体や粉体を高い場所へ移送する必要があるかなど、高低差(エレベーション)を含めた配置関係も頭に入れておくことが大切です

 

3. 機器リスト・計器リストの作成

P&IDが完成すると、プラントに必要な機器や計器が全て明確になります。これをリスト化したものが「機器リスト」や「計器リスト」です。小規模なテストプラントで、高さの制限などがあまりない場合は、この段階で作成したP&IDやリスト類を、そのまま実際の配置検討に活用できることも多くあります

 

4. テストプラント建設費用の「超概算見積もり」の出し方

プラント建設を進めるにあたり、「予算申請のために、とにかく全体の予算感を早く知りたい」というニーズは非常に多くあります。ここでは、本格的な図面が完成する前に「超概算見積もり」を出すための、プロの経験則をご紹介します
機器リスト総額の「5倍〜7倍」が目安
結論から言うと、超概算見積もりは**「機器リストと計器リストの購入費用総額の、約5倍」**を目安とします
例えば、必要なタンクやポンプなどの機器総額が1,000万円だった場合、配管工事や電気工事、足場組立などの付帯工事を含めたプラント全体の建設費用は、およそ5,000万円になると予測を立てます。ただし、以下のような特殊な条件がある場合は、費用が高くなるため**「7倍」**を見ておく必要があります
  • 防爆エリアでの設置: 爆発性のあるガスや液体を扱うため、特殊な安全対策が施された機器や電気設備が必要な場合
  • 特殊材質の指定: 腐食を防ぐためにグラスライニング(GL)や高級な特殊金属を使用しなければならない場合

特にテストプラントのような規模の小さい案件では、安く見積もりすぎると後から予算が足りなくなり「痛い目を見る」ため、最低でも機器代の5倍以上は見ておくのが鉄則です

 

◆概算見積もりを出す際の注意点
機器リストさえあれば概算は出せますが、あくまで「ブレ幅が大きい」点には注意が必要です。場合によっては想定の3倍程度のブレが生じることもあります
例えば、排ガス処理装置(スクラバー)を設置する場所がプラント本体から非常に遠かったり、電気や水などのユーティリティを遠くから引っ張ってくる必要があったりすると、想定外の配管・配線費用がかさみます。設置場所や付随する条件によって費用は大きく変動するため、正確な予算を知りたい場合は、P&IDや機器リストを用意した上で、早めに専門のエンジニアリング会社に相談することが推奨されます

3D CADを用いた配置図・配管図の作成から工事まで
概算費用をクリアし、さらに計画を進める場合は、より詳細な図面作成へと入っていきます

3D CADで精度の高い設計を行う

機器リストや計器リストをもとに、実際の設置スペースに合わせた「配置図」や「配管図」を作成します。近年では、Autodesk社の「Inventor」や「AutoCAD Plant 3D」といった3D CADソフトを使用して、立体的で干渉のない精度の高い設計を行うのが主流となっています

詳細見積もりの確定と発注・施工

配置図と配管図が完成すれば、手動弁(バルブ)の数や配管の長さ、その他必要な資材が全て正確に計算できるようになります。これにより、精度の高い「詳細見積もり」を提示することが可能になります。予算額が最終確定した後は、機器の発注、現地での配管工事、据付工事へと進み、テストプラントの完成へと向かっていきます

 

まとめ

テストプラントの設計・スケールアップを成功させるためには、正しい手順を踏むことが不可欠です。本記事のポイントは以下の通りです。
  1. 実証実験のデータ(物質収支・熱収支)をしっかり固めることが設計の出発点となる
  2. フロー図をもとに**P&ID(配管計装図)**を作成し、必要な機器・計器を洗い出す
  3. 建設費用の超概算は、**機器・計器代の「5倍〜7倍」**を目安にする
  4. P&IDをもとに3D CADで配置図・配管図を作成し、詳細見積もりを経て工事へと進む

スケールアップの過程では、「思わぬ付帯設備でお金がかかる」「配置がうまくいかない」といった課題がつきものです。KH工業のような経験豊富なプラントエンジニアリング会社であれば、過去の課題解決事例を活用してスムーズなプロジェクト進行をサポートしてくれます。自社での計画に行き詰まった際や、概算費用が知りたい場合は、オンラインにて無償で受け付けています。テストプラントをご検討の際は、ぜひ一度、ご相談されることをおすすめします。

他のプラントエンジニアリング課題解決事例をご覧いただきたい場合は、こちらをご覧ください。

>>ケイ・エイチ工業へのお問い合わせはこちら

お問い合わせ・ご相談はこちら

他社に断られてお困りの方は、お気軽にご相談ください。
専門スタッフが丁寧に対応いたします。

PAGE TOP